ブログ

これから癌治療のため化学療法や放射線療法を始められる方へ

抗癌剤治療や放射線治療は、癌細胞を破壊する治療ですが、同時に正常な細胞に対してもダメージを与えてしまう副作用があり、なかでも口腔粘膜炎(口内炎)は高い頻度で起こる副作用のひとつです。口腔粘膜炎が起こり症状がひどくなると、痛みのため食事ができなくなったり、会話がしにくくなったりすることもあり、癌治療そのものに支障をきたします。他にも口腔乾燥症、虫歯、歯周病などの合併症も起こってきます。合併症のなかには、治療期間だけにおこるものと、治療後何年も続くものとがあります。インプラント治療を受けている方は特に注意が必要です。インプラント周囲炎が起こり撤去しなければならなくなる場合があります。

これらの合併症を予防するためには、治療を始める前からお口の中のお手入れをしっかりおこない、常にお口の中をきれいに保ち、お口の中の細菌のバランスを整えておくことが必要です。そのために抗癌剤治療や放射線治療を開始する2週間前から歯医者さんによるお口のチェックを受け、虫歯や歯周病があれば治しておくとともに、お口の中の手入れの指導を受けるようにしましょう。インプラントが入っている方は安全のために歯医者さんにかよって監視してもらっていてください。

私達の口の中には、約600種類の細菌がいるといわれています。また歯垢1ミリグラムの中に1億個の細菌がいるため、お口のケアがよくないと、その細菌がどんどん増えてしまいます。抗癌剤治療や放射線治療によって感染しやすくなっている状態に、細菌や真菌(カビの菌)が増えると、口腔粘膜炎、虫歯、歯周病、インプラント周囲炎になりやすくなるのです。

お口の中の手入れとは、歯磨き、うがい、義歯(入れ歯)のお手入れ等です。

歯磨き------もっとも重要なのは歯磨きです。口の中の細菌を減らすことができます。また、唾液腺や味覚を刺激して唾液分泌や味覚の改善にもつながります。指導を受けて正しい歯磨きを続けることが大事です。歯ブラシはナイロン製で、この場合はやわらかめが安全かもしれません。多くの歯みがき剤に含まれる泡立ち成分のSLS(ラウリル硫酸ナトリウム)は、口腔粘膜に刺激を与え炎症を悪化させるといわれているので、SLSが含まれていない歯磨き剤がお勧めです。

うがい------水または洗口液で頻繁におこなうと、口の中の細菌を減らすことができます。アルコール成分が含まれていない刺激の少ない洗口液がお勧めです。

義歯(入れ歯)のお手入れ--------義歯がお口にあっていないと、口腔粘膜炎の原因になります。治療が始まる前に歯医者さんに行って義歯の具合を診てもらいましょう。また、義歯は汚れが付きやすいので、食事の後には必ず義歯を外して、歯ブラシで義歯を清掃してください。

★口腔粘膜炎や口腔乾燥症になってしまったら--------担当医師、歯科医師に相談してください。症状がなくても半年に1回は歯科医師にお口のチェックをしてもらってください。

★がん治療により口腔粘膜炎になる確率--------抗癌剤治療を受ける患者さん40パーセント。頭頚部がんの放射線治療(口腔領域が照射野に入る)を受ける患者さん100パーセント。骨髄移植を受ける患者さん75パーセント。  (米国国立歯科頭蓋顔面研究所)

以上、歯磨き剤のバイオティーンのパンフレットが良くまとめてかいてあったので、参考にして書きました。これから抗癌剤や放射線治療を始められる方はぜひ参考にしてください。